本日、3月1日は「サービス記念日」です。
1年と少し前、私達は大切なお客様を1人失う出来事がありました。
私は、その方からの直接の電話で事実を知りました。
その方は、その出来事よりも、その後のスタッフの対応の事でとっても怒っていらっしゃいました。
その方は電話で、こうおっしゃいました。
「私はあなたや、あなたのお店が好きだった。いつもがんばっているし、心から応援もしていたの。
でも、スタッフの教育がなっていない。本当に悲しい気持ちになった。本当に残念だった・・」と。
一生懸命お詫び致しましたが、「しばらくは、おたくへは行かない」と言われてしまいました。
私は、対応したスタッフ個人の資質の問題ではなく、私達の会社にサービスのベースがない事を
思い知りました。
「相手の立場になって考える」これは、「相手の痛みを自分も同じ様に感じる」という事。
まったくこれがなかったのです。
売り手側の立場からしか接していなかった事が大きな原因でした。
自分達のサービスレベルの低さを感じ、落ち込んでいる時、たまたまあるセミナーで偶然、
となりに座った親友から1冊の本を紹介されました。
「サービスの教科書」
翌日、書店で予約し、到着と同時に一気に読みました。
「これだ!!」自分の求めていた答えがこの中にぎっしりと詰め込まれていました。
読み終えた時、「自分の会社は生まれ変わる」と確信していました。
嬉しくて嬉しくて体が震えたのを今でも忘れられません。
本の後ろには、その著者の経営している会社の住所がのっていたので、
「この本を世に出してくださった事に感謝しています」と手紙を書きました。
すると数日後、著者の方から1冊の本が届きました。
そして一枚の手紙が添えられていました。
「私がサービスを学んでいく上で感銘を受けた本です。どうぞ受け取ってください」
直接のお手紙や、まして本のプレゼントなど予想もしていなかったので、本当に嬉しくて嬉しくて・・。
感動して「なんて素晴らしい方なのだろう」と思いました。
何か御礼がしたくなったのですが、やっぱり私はお花屋さん。
相手の方がお花が好きかどうかわかりませんが、フラワーアレンジメントにメッセージカードを
添えてお贈りする事にしました。
すぐに店舗でアレンジを製作しメッセージカードを用意して箱に入れて発送することにしました。
自宅に戻って、しばらくするとお店のスタッフから「こんな感じでお作りして発送をしました」と
画像が送られてきました。
いつもながらとっても素敵なアレンジでした。(自分で言うのも変ですが)
ところが!!「相手のお名前を1字、間違っている」事を発見しました。
(高萩注:私にあてて届けて下さったお花のカードが「高柳さん」になっていました・・・。)
ヤ○ト運輸さんは、もうすでに出発しています。
すぐに営業所に「配達を止めて下さい」とお願いし、配達を止めてくださることになりました。
一応念の為、もう一度「そのお花は絶対にお届けしないで下さい」という事をお伝えして
当社へ送り返していただく事になりました。
翌日、間違いはともかく「気付かないでお届けしてしまわなくてよかったね!」と気持ちを
入れ替えてもう一度お花とメッセージカードを用意して、箱にいれている時・・
一本の電話がなりました。
「ヤ○ト運輸です。すみません。こちらのミスで間違ってお届けしてしまいました・・」
一瞬で社内が凍りつきました。名前を間違えるなんて事はあってはならない事です。
どうあっても大変失礼な事です。
「ただ感謝の気持ちをお伝えしたかったのに・・・・」
お花を贈るなんて、余計なことをしなければよかったんだろうか・・。など色々考えました。
でもとにかく今できる事は、お詫びをするしかないと思い震える手でその方の会社に
初めての電話をかけました。
そして「大変失礼な事をしました」とお詫びするとともに、
「本をプレゼントして下さったお心遣いに感謝していますとお伝え下さい」と伝えました。
すると
「気にしていませんよ。お花も喜んで受け取らせていただきました」と
温かいお言葉をいただき、涙がぽろぽろでてきました。
そして、私の電話のほんの少し前に別の電話が1本入っていたことも知りました。
メッセージカードの製作を担当したスタッフが、
「お名前を間違えてしまったのは私です。せめて浦のお気持ちだけは是非お受け取り下さい。」
この日、私達の会社のサービスのスイッチがカチリと入りました。
「日本一サービスのよいお花屋さん」を目指そうと心に誓った日です。
3月1日は私達、エフ・エム・クリエイトにとって「サービス記念日」となりました。
2ヵ月後、私はその著者の方にお会いしていました。
今では、尊敬する友人として、そしてサービスのメンターとしておつきあいさせて
いただいています。
その方の名は、高萩徳宗さん。ベルテンポ・トラベル・アンドコンサルタンツ代表。
車椅子を利用する方、高齢の方、障害がある方の旅づくりをサポートし、応援する、
日本で唯一の旅行会社です。
ベルテンポ・トラベル・アンドコンサルタンツのホームページ
http://www.beltempo.jp
もう一つ、サービスについてのセミナーを企画するコンサルティングの会社
も経営されています。私もここで学ばせてもらっています。
サービスが人を飛躍させる(株)のホームページ
http://www.55service.com
今となっては運命的な出会いだったと思っています。
ミスをしてくださったヤ○ト運輸さんにも感謝(?)しています。
「サービスの教科書」は、皆様もぜひ読んでみてください!
1年間たって、サービス面で振り返ると本当に大きな進歩がありました。
もう同じミスはありませんのでご安心を!
これからも、もっともっとよくなっていく事をここで宣言致します。
すべての人がお花を贈る時に不安や不満を感じず、贈った方も贈られた方も
心地よくなるようにこれからも向上してゆきますネ!
Little Happiness 代表取締役 浦様
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