●そして、ついに、親子の夢が実現
なぜ、バイクで事故を起こしたKさんが、大好きだったバイクにまた乗れたのか。
それは、「お母様が諦めなかった」からです。
これまた誤解を恐れずに言えば、私達五体満足な人間が、夢は叶わないなんて
早々と諦めていたら、障害がある人に失礼だと、私は常々思います。
身体的に、社会環境的に、周囲の目的にも、
相当困難な状況でも、障害がある人は、夢を諦めません。
もちろん不安はたくさんあるのでしょうが、夢を諦めないことに関しては、
障害がある人の方が数段勝っているでのはないでしょうか。
そんなKさん親子。
2006年のクラッシュライダーズミーティング・茨城2006では、ついにやってくれました。
何をやってくれたのか。
タンデムライドの成功を受けて、彼はプロのサポーターとしてこう考えました。
「いつかは、必ず自分で運転させてみたい」
それは自己満足の無茶な願望というよりは、タンデムで一緒に跨った時に、
体全体で岩本が直観で感じた、確信でした。
この状態なら出来る。
しかし、最大の課題があります。
Kさんは病気になり障害者になってしまった訳ですから、「免許」が失効しています。
公道を走る訳には行きません。
そこで岩本は、「サーキットで走ること」を思いついたのです。
もちろん、茂木や菅生など、超一流のサーキットは、今は無理です。(将来の夢ではありますが)
岩本は自身の走行会で行きつけの「トミンサーキット」に相談を持ちかけました。
主旨を理解し、深く共感してもらった岩本は、費用をねん出するため走行会でいつも走っている
仲間に参加を呼びかけました。
ボランティアマインドや福祉の経験など皆無の彼らも、「バイクが好きな、ひとりの仲間」を
応援、サポートすることに、誰も異議は唱えません。
唱えないどころか、喜んで応援したいと口ぐちに賛成意見を表明してくれたのです。
こうして、第3回のクラッシュライダーズミーティング2006は、茨城県のトミンサーキットを舞台に
50名近い参加者で溢れ返ったのです。